D3(eeic2016)によるEEIC+EEIS走馬灯

こちらはEEICアドベントカレンダー2022 2日目(27日公開)の記事です.EEICアドベントカレンダー2022はこちら

EEIC Advent Calendar 2022 - Adventar

誰やねん?お前

初めまして,どくとるたのむ~3(仮)(ジェネリック)(twitter: @eeic2016_tanomu)です.現在私は後期博士課程3年生でB1コースの研究室に在籍しております.

 

東京大学工学部電気電子工学科の学生として配属されてからおよそ7年半が経ちました.最後の思い出としてEEICアドベントカレンダーに走馬灯を書いておこうと思います.

同期の方々はそんなんあったな~と,後輩の皆様はへ~と楽しんでいただければ幸いです.教員の方々はここでブラウザバックを何卒宜しくお願いいたします.

 

配属前~2015年Aセメスター

当時は今ほど情報系ブームじゃなかったので,EEICはどちらの学科も大きな進学振り分け難易度の差はありませんでした.

当時の私は物理工学科に行きたかったのですが,残念ながら麻雀の打ちすぎで成績は冷え切っていました.

なんとなく電磁気が好きかつ”情報には一切合切興味なかった”ので,同期の福井君(EEIC2016ぱちょー.現在同じラボのD3)がおすすめしてきた電電へ行くことにしました.

我ながら良い選択でしたね.おかげでD3まで学生生活を楽しんじゃいました.

 

無事EEICへ配属された私は冷たくかたい椅子(12号館?だっけ)に苦しめられながら衝撃の事実に気付きます.

「え?プログラミング必修やん!!」

情報には一切合切興味なかった私は当然2年の冬のC言語が初めてのプログラミングです.しょうがないのでほぼ毎日放課後は情報基盤センターでC言語の演習課題やったりしてましたね.また当時は合計点制だったのでプログラミングの選択授業も当然履修しましたが,たくさんTAの方に質問し無事単位取れました.当時の川原研,長谷川研,鶴岡研でTAをやっていた皆様,誠にありがとうございます.今では研究でバリバリプログラミングをしています.

 

配属されたばかりの2年生後半はもともとの知り合いと仲良くしていただけで,EEICの知り合いは特にいなかった気がします.

 

2016年Sセメスター

無事本郷へ進学.おそらく4回目の自己紹介も無事こなします.前期実験と控室によってEEICの同期と仲良くなります.

現在は封鎖中ですが,EEIC控え室は2号館4階に存在しており,放課後や授業合間の待機場所(=たまり場)を担っていました.

 

控室では,「赤飯をたくさん炊くこと(停電させてはいけない)」と「授業中の時間にハリウッドザコシショウで大笑いすること(H先生に怒られた)」だけが禁止されており,他は大変自由に過ごさせてもらいました.

テスト前に控室で15人くらいで雑談しながらテスト勉強していたのは大変面白かったです.

また,あるテストが毎回過去問の使いまわしだったので,テスト本番の回答用紙に暗記していた他の年の過去問を追加して解いたら不可になったりしたのも懐かしいです.問題を錬成したら不可になる.

 

夏休みにはEEICの同期9人で沖縄旅行へ行きました.同期の福井君が行きの飛行機で離散数学を読んでいたことや,1日目の飲み会で酔いすぎて2日目に半分脱落したり,僕が物損事故を起こしたのも良い(?)思い出です.

2016年Aセメスター

Sセメスターのテストは控室一夜漬け勉強のおかげで無事乗り切れたので,Aセメスターも余裕やろと油断しすぎて成績が下降の一途をたどります.そんなバカな.

 

後期実験に時間を取られ,疲弊もしていきます.

特に苗村研の後期実験で「ヘドバンをして木の葉を吹き飛ばすARゲーム」を作るのに疲弊していました.

また当時はB1コースの研究室へ進むことを考えていたのでデバイス系の〇木・〇〇研究室や〇〇・〇〇・〇〇・アイン!研究室の実験をとってました.残念ながら,当時は彼女に忙しく実験の記憶は吹き飛んでいます.

 

授業は相変わらず全コマ履修(合計点制だから)していましたが,サボリ初めました.もっとまじめに受けとけば…

例えば,某T先生の講義は授業終了10分前に行ってプリント回収していました.なんて典型的不真面目.

 

にもかかわらずそのT先生の研究室見学用連絡担当になります.当時のメールを見返すと私のメールに1日以内に返信くれた先生からの返信を1週間以上放置するという大変無礼なことをしていますね.陳謝.

 

そうこうしてたら研究室配属希望を出すことになりました.実験で行った〇〇・〇〇研究室と〇〇・〇〇・〇〇・アイン!研究室,そして見学に行ったT先生の研究室,心のテンションが一致した三田研の4択で悩み,結果T先生の研究室へ第2段階で配属されました.

ちなみにN&T研究室は心のテンションが一致した三田研の隣でもあり,暇なときは今でも三田研にお邪魔して遊んでます.陳謝2。

2017年 卒論生

入ったーテーマ決めたー院試だー中間報告だーと一瞬で駆け抜けていきます.

中間報告を終えて卒論用のデバイスを作製しだしました.この時期ある気付きを得ます.

「研究,授業の100倍おもろいやん!!!!!!」

というわけで毎日ラボへ行って半導体プロセスにいそしみました.

私が最初に作って測ったのは半導体上に作った光導波路(光ファイバーと同じで,光を真ん中に閉じ込めて伝搬可能)上に回折格子を集積した素子でした.

『これを作製すれば2次元に光を掃引できて超高速ビームスキャナーとして使えるで!!』と言われ,純粋な私は目を輝かせながら研究にいそしみました.

 

途中段階で,回折格子と呼ばれる構造の作製と確認を行いました.この時, ちゃんと回折格子由来の光波長依存性が見えたときの感動は今でも覚えています.また,この構造では一切合切新規性は無いのですが,「教科書に書いてあることとか俺が数値計算した内容は本当だったのか」と信じる気持ちになれたのも印象的です.普段「ほんまかいな」って思いながら教科書読んでるので.

 

結果このあと,本来目標にしていたデバイスの実証まではたどり着けませんでした.卒論で国際論文誌を書く他研同期がいる中,私のデバイスはなんの新規性も出せませんでした.

 

2018年~2019年 修士課程

修士課程へ進学です.

卒論終了時,指導教員に「国際会議に行きやすいテーマが良いです!」と絶叫した結果,学会発表や論文化の近いテーマを一緒に考え取り組むことになりました.

結果修士1年の時にアメリカへ,修士2年の時に福岡とアイルランドで開催された国際会議へ出席できました.

 

これは現在研究活動に勤しんでいる大学院生の人へのおすすめですが,国際会議の現地参加はとてもたのしいです.いつも読んでるあの論文の1st authorやあの教科書の執筆者がいたりします.

また,研究おもれ~~~って笑いながら国際会議へ行っていたら,東大で開催される企業の合同説明会に参加しそびれたので,D進するか~~~~となりました.

 

ちなみにM2の時とD1の時に駒場のEEIC説明会で研究紹介をしてます.覚えてくれてる人いるかな?

 

ただこのころからEEISでの接点が少なくなってきます.授業が少なくなってきたので仕方ないね.さみしいので毎日2号館とか10号館とかの他ラボの人をご飯に誘っていました.

また,勝手にK研やM研の飲み会に参加しだしたのもこの時期です.日ごろから知り合いを作って置き,飲み会開始1時間以上後に行くのがコツです.自分が飲む分のお酒は持参していきましょう.ほかにもEEIC縦断飲み会(EEIC2年生からOB/OGまで100人以上参加していた飲み会)に最もモチベーション高く参加していた時期でもあります.意外と接点持ってるやん.

 

2020年~2022年(現在) 博士課程

博士課程進学後はコロナの影響ですべての国際会議がオンラインになりモチベーションが半減しました.D3の今年,やっと現地開催が復活したおかげで研究のやる気は100%に戻りましたが,発揮する間もなく博論をせこせこ書いています.

正直最近はEEISへコミットしてる感は一切なく,一部の同期や年の近い先生・ポスドクと遊んでるくらいでしか接点ありません.

ただ今でも会えば楽しく過ごさせてもらっています.

 

最後に

総じてEEIC/EEISが面白すぎた記憶しかありません.中々今はコロナの影響で控室もありませんし,縦断飲み会もありませんが,多様性のるつぼであったEEICの雰囲気が継承されていくと良いな,となんとなく思っています.

 

アドベントカレンダーを書くという博論からの現実逃避に付き合ってくださった皆様,ありがとうございました.

 

 

まだ電気でにゅ~らるねっとわ~くやってんの?

本記事はeeicベンドカレンダー2020(eeic (東京大学工学部電気電子・電子情報工学科) Advent Calendar 2020 - Qiita) 1日目の記事です。

 初めに

本記事は「バカ熱くなって遅い電気回路なんか捨てて,光使えば”光速”かつ”超低消費電力”かつ”光の並列性”による高効率行列演算器できんじゃね?WowWow」というハッピーな技術を紹介します.

 

みんなディープラーニング機械学習ニューラルネットワーク・AI・・・大好きですよね?

この記事を読んでくれてる方の中にも,「いっちょdeep learningやるかー」と思い立ちQiita記事を読んで,ちょっとまともなパソコンにAnaconda3を入れ,Cudaを入れ,jupyter notebookでMNISTの手書き文字判別とかやったことある人が多くいると思います.

この時,手書き文字を判別するためのいわゆる「学習」は皆さんの目の前のPCでおこなわれています.PCは電気回路で構成されており,「学習」も「電気」を使って行われています.

複数のトランジスタで構成された論理回路によって,deep learning内のたくさんの演算を「電気」的に処理しています.

 

だけど「よっしゃ研究/インターン/起業でdeep learning使ったるで!!」となると,もっと大規模な画像分類・識別やSLAMなどの3次元センシング,何万行にもわたる自然言語処理がしたくなり,目の前のPCじゃまともな時間で計算が終わらなくなるかもしれません.

 

どうしたらよいのでしょうか?

 

例えば,GPUを買い込んで,計算サーバーを立ち上げ,昼夜を問わずGPUで行列計算をぶん回すとよいかもしれません.

しかしそうなると結局,大規模な学習を個人や小規模グループ単位で行うのは難しく,お金を持っているGoogleなどの大手企業などと戦うのはとても困難になるかもしれません.

 

それに対する解決策として注目を集めているのが,ニューラルネットワーク(光深層学習機,光アクセラレータ)技術になります.

ニューラルネットワーク技術では,光を使って行列演算を行います.適切に演算のための光変調器を選択すれば,文字通り"光速"かつ"超低消費電力"かつ"光の並列性を生かした超効率演算"が実装できます.

そこで本ブログ記事では,現在盛んに研究されてる光ニューラルネットワークについて基本的なコンセプトを紹介したのち,光だからこそできる"In situ"誤差逆伝搬について解説します.最後に,2020年のhot chipsで紹介された世界初の光processorに紹介します.

 

 どうやって光ニューラルネットワークを実現するの?

簡単です.

まず,損失のない光デバイスはユニタリ変換であることを思い出す.

(思い出さなくてはならない 例えば:OSA | All linear optical devices are mode converters

次に,ニューラルネットワーク内の隠れ層にはたくさんの線形演算が含まれることを思い出します.

そして線形演算は特異値分解すれば,ユニタリ行列と特異値の並ぶ対角行列に分解できることに気づきます.(さいきょーなので気づく)

 

ア、じゃあ,「任意なユニタリ変換を実現する光デバイス」があれば光ニューラルネットワークは構成できるね!!!!

 

というのがこちらのNature Photonics の記事です

www.nature.com

簡単ですね?使ってるのは大学1年の線形代数知識だけです.

この論文は大変注目を集めており,最近の光ニューラルネットワークブームを作り出しました.

しかしあくまでハードの話かと思われるかもしれません.

そんな中,ソフト・アルゴリズム的にとても注目を集める技術が発表されました.それが"光誤差逆伝搬"です.

 

光誤差逆伝搬

誤差逆伝搬は有名なんで知ってる人も多いと思います.

chian rule使って,各ノードの重みに対するコスト関数の勾配をじゃんじゃか求めていくやつですね.

1986年に,スタンフォードのラメル・ハート教授によって提唱(Learning representations by back-propagating errors | Nature)されて以来,よく知られたアルゴリズムです.

 

この誤差逆伝搬について「光のニューラルネットワークならめちゃくちゃ簡単にできるぜ?文字通り,光を"逆"から入れるんだよ.」

と言い出したのが,スタンフォード大学のDr. Tyler W hughesです.

www.osapublishing.org

やってることはとっても単純で,まず光を普通に伝搬させます.これは現重み状態における行列計算をやったことに相当します.

次に,出力側から弱い(微小変動の)光を入れます.この時,入力側に現れる光の電磁界と各ノードでの光強度を記録しておきます.

最後に,もとの光+記録した光の電磁界の複素共役を同時に送ることで,全ノードでの勾配を計算できます.

 

なんでこれでいいのー?っていうと,光の複素共役をとるということは伝搬を反転させることに相当するからですね.微小変動を与えたことになる入力状態を,実際に逆から光を入れることで求めて,光速かつ同時的に勾配を計算するということになります.

この時,chaine ruleは光段で実現されていることになります(たぶん)

 

 

このようにアルゴリズムサイドでも光ニューラルネットワークは注目をあちゅめています.ただ,「研究としてやるにはとってもいいけど実用性は・・・?」といった風潮が最初の発表以来ずっとありました.

  

その状況に一石を投じたのが,2020年夏に開催された最先端プロセッサチップ発表の場である「hot chips」にてMIT初のベンチャー「Light matter」が行った発表です.

 

 Lightmatter,64×64光行列プロセッサを発表

 Lightmatter(About Lightmatter)は光ニューラルネットワークを最初に実現したnature photonicsの論文の1st authorであるNick Harrisがぶちたてたベンチャー企業です.

f:id:workwahuman:20201201232849j:plain

上の写真は光回路と電気回路を共にオンボードにした光行列プロセッサです.(

https://www.eetimes.com/optical-compute-promises-game-changing-ai-performance/#

)

周りの回路はGlobal foundariesによって作製され,中の光回路はシリコンフォトニクスとMEMS技術の混合で実現されているようです.

hot chipsでの発表によるとレーザーの消費電力はわずか50 mW, 光の伝達はわずか200ピコ秒(1ピコは10^-12)で伝達させます.

Nich harrisによると「AI向けデータセンターでは、エネルギー消費を20分の1に削減し、物理的な面積を5分の1に縮小することができる。これは、当社が開発している第1世代のチップを使用した場合の成果であり、今後のロードマップでさらなる改善が期待できる」とのことです. (ほんまかいな)

また「このデモ機は実際の用途において、NVIDIAの次世代ハイエンドGPUである『Ampere A100』に勝る性能を発揮する」と断言していて,AmpereA100の20倍の消費電力効率と少なくとも5倍のスループットを達成したらしいです.すごい.

 

最後に

めっちゃ面白くなくなりました.本当すいません.

だけど,私はEEICの学生ならぜひ,「ソフトだけでなくハードまで知っている」という強みを持っていると思います.そんなeeicの学生にとってこの内容は興味深いかなーとおもって書き始めましたが,なぜか忙しく適当な文章になってしまいました.

 

今回取り扱った光ニューラルネットワークは間違いなく,光の回路をやってる人間たちの間でとてもhotなトピックです.しかし,それらを簡単にふんわり解説した記事があまり日本語ではなかったので,今回その1例にするため,本ブログを投稿させていただきました.

最後に示したLightmatterによる光チップのように,数々の企業とそれの何倍もの研究者がこの内容に注目を集めています.もちろんLightmatterの発表だけではまだまだ本当に光行列計算チップに意味があるかはわかりません.しかし,実際に商用化に向けた光行列計算チップが報告されだしたことは,光速で計算する夢のチップが我々のもとに届く日が着実に近づいているように思います.

 

あとで書き直しますがいったんこれで許してください.

 

参考

推論を加速する光コンピューティングプロセッサ - EE Times Japan

Lightmatter - A Giant Leap

全人類はYouTuberヒカキンの全動画を楽しめるのか? ~最新光通信技術の話を添えて~

ヒカキンTV~えっびで~~~♪

はじめに

本記事はeeic2019アドベンドカレンダー2019(https://qiita.com/advent-calendar/2019/eeic) 22日目の記事です。

eeic2016のたのむーです。

最近めっきり寒くなりましたね。現代っ子である我々は寒さを我慢して外に遊ぶのではなく、家にこもってストーブの前でYouTubeといった人も多いと思います。

 

本記事では有名YoutuberヒカキンさんのYouTubeチャンネルの

全動画を全人類が高画質で楽しむためにどれだけの情報が伝送されるのかと現行の光通信技術(本当の概略)について触れていければと思います。

(本当に適当に書いたのでガバガバだけで怒らないでね。ブログって書くの大変だね。たのむーにはむいてなかっ太) 

 

 

注:光通信界隈の方へ

本記事はヒカキンさんを話題に挙げながら学科の先輩・同期・後輩諸氏に光通信の現状と課題、それに対しての取り組みについて知ってもらいたいという動機に基づいて書かれたもので、一部意図的に正確とはいいがたい表現を使っている可能性がありますがご容赦ください。

また本記事は最新の現状を反映しきれていない可能性があります。光通信技術についてはコアネットワークを考えます。

取り扱う情報はECOC(European Conference of Optical Communication) 2017 PDP(post-deadline paper)までの内容を中心にOFC(Optical Fiber and Communication conference)2019までの内容を取り扱います。ECOC2019の進捗については予稿集が公開され次第追記する可能性があります。

 

全人類がヒカキンさんの全動画を楽しんだ際の通信量

ヒカキンチャンネル情報

今回はHikakin TV(youtube.com/user/hikakintv)とHikiakin Games(https://www.youtube.com/user/HikakinGames/featured)のチャンネルを基に考えます。

現在(2019/12/22)までにヒカキンさんの2チャンネルの合計動画数は4000本に達しています。[1]

また平均動画時間は約6分(2019/06/25時点でHikiakin TVのみの平均値)[2]です。

 

Youtube条件設定

次にYouTubeで動画再生をする際にやり取りされるデータ通信量について考えます。やはり我々はヒカキンさんを最も高画質で楽しみたいと思います。

なので当然画質はHQ(最も高画質のモード)で視聴する場合を考えます。

HQモードで1時間YouTubeの動画を楽しんだときの通信量は 2GBらしいです。[3]

 

全人類がヒカキンさんの全動画を楽しんだ際の通信量

上記の数値を基にヒカキンさんの全動画をHQモードで視聴した際に予想される通信量を見積もると

(全動画視聴時間)×(1時間あたりのHQモード通信量) 

=(6 min × 4000本 ÷ 60) × 2 GB/hour

= 800GB

に相当します。

 

現在の世界の人口は77億人[4]なので全人類が全ヒカキン動画を楽しんだ際の通信量は

(全人類の人数)×(一人が全動画を見た際の通信量)

= 77億人×800GB

= 6000000000000 GB (= 6.0 ZB(ゼタバイト))

に相当するっぽいです。

やばいですね。消費電力で世界がとろけそうですね。

我々は光通信でもってこの膨大な情報をやりとりせねばなりません。可能なのでしょうか?

 

 

 

 

 

6ZBの通信量って現実的にありうるの?

上の計算では全人類が全ヒカキン動画を楽しむ場合を考えました。結果6 ZB(ゼタバイト)という通信量になりました。

当然全人類がヒカキン動画を”同時に"楽しむことはないと思います。例えば1年とかそんなスパンでしょう。

 

では上の非現実的な仮定のもとではなくて実世界ではどれだけの通信量がやりとりされているのでしょうか?

 

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Fig1. 月間トラフィック予測

これは世界最大のネットワーク機器会社Ciscoが打ち出した統計予測[5]です。

2019年現在,月あたりの通信量は201 EB(エクサバイト),1年あたりに直すと1.2 Eバイトです。
 2022年では1年あたり4.8 ZBに達する見込みです。

これみると2025年あたりには「全人類全ヒカキン動画通信量」くらいの情報のやりとりは実際に起きてしまいそうですね。

 

このような膨大な量の通信はどのような技術によって支えられているのでしょうか?

 

光通信していく(コアネットワーク)

 実際にヒカキン動画を見る端末はスマホやPCといった(近年の多くの場合)無線で接続された端末だと思います。ただ実際のコアネットワーク(注)では光ファイバーを用いた伝送システムが利用されています。

 

最も単純な光通信システムは01の信号を光の強度に当てはめて送るIM-DD(Intensity Modulation Direct Detection)です。

光の強度を"ある"と"ない"にするだけなので単純ですね。実際1970年代の最初期から現在にいたるまで使用されています。

ただ人類はもっとデータ送りたいよーという気持ちでいっぱいになりました。結果、多値化や多重化の技術、さらにディジタルコヒーレント通信研究されていくことになりました。

 ディジタルコヒーレント通信

コヒーレント通信では光の強度情報だけでなく位相情報も用いることで伝送容量をぐっと引き上げます。

正直コヒーレント通信なんかはeeicの無線通信応用工学とかでも解説されているので別にいいですかね?

ディジタルコヒーレント通信技術は電気系名誉教授の菊池和郎先生の著名な業績です。恐れ多くて僕なんかが語れません(面倒くさいわけではない)。

詳しくはこれ(https://annex.jsap.or.jp/photonics/kogaku/public/38-05-kaisetsu3.pdf)かこれ(https://www.osapublishing.org/jlt/abstract.cfm?uri=jlt-34-1-157&origin=search)とか読んでください・・・

 

多値化

多値化とは、強度をあるなしで変調するだけでなく"なし""少な目""多め""フル"で変調するような仕組みです。

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Fig2. 単純な01と多値化した強度変調[7]

Fig2に強度多値化変調の概略図をしましています。4段階に強度を変調することで2bitの情報を一気に伝送できるので、普通の01強度変調の2倍の情報が送信できます。やったね!

ただこんなことやると信号のSNが劣化するので符号誤り率(BER:Bit-Error Ratio)は一般に悪化します。しかし現在は光増幅器(EDFA:Erbium doped fiber amplifier)が素晴らしく発展しているのでなんとかなったりならなかったりします(疲れてきたので少し適当です)

 

多重化

多値化だけでなく多重化の研究も盛んにおこなわれています。時分割多重や波長多重(WDM:wavelength division multiplexing)が有名ですかね?

例えば波長多重技術では通信波長を標準の1550nmの近赤外光だけでなく、近傍(1530~1565nmとか)に拡張していっぱい信号送っちゃおう!という技術です。

送信波長をN倍にすれば通信量もN倍やん!という感じです。

 

当然無限に多重化できなくて、変調によって各波長がどれだけの帯域を必要とするのか、通信用レーザーがどれだけ狭帯域の線幅で発振できるかとかで変わってきます。

 

現行の光通信

このように様々な通信方式でもって世の中の人間がヒカキンの動画をみることができています。

例えば少し前に策定され400Gbit/s ethernetでは例えば「80km以上の伝送では50Gbit/sの速度で信号を変調する。信号はPAM4で4波長の多重化を行う」みたいな感じで距離などの状況ごとに決定されています。

我々はこのような技術の恩恵にあずかってヒカキンの動画がみれるわけですね。

 

しかし、現行のシステムのままどんどん通信容量を増やして、全人類全ヒカキン動画お楽しみ計画を実行するのはなかなか難しいのが現状です。

 

例えば単一モード光ファイバーでは非線形光学効果などから物理的な伝送容量の限界があること。(100Tbit/sくらい)

現行の50Gbit/s以上の100Gbit/sやもっと高速で変調する変調器がつくれないとかです。

(研究レベルでは存在しています。)

 

 そのような事情の中で近年研究されているものに空間モード分割多重通信(SDM)とよばれるものがあります。

 注

携帯電話基地局と通信を行い、基地局基地局同士を制御装置で結び、さらに制御装置同士を結ぶ交換機、「交換機同士を結ぶ回線」があるが、この交換機同士を結ぶ部分がコアネットワークに当たります。[6]

 

 次世代:空間モード分割多重通信

 空間モード分割多重通信技術は簡単に言ってしまえば「光ファイバーを新しいものにして、多重化の項目を増やそう!」というものです。

光ファイバーはコアと呼ばれる部分に光が全反射で閉じ込められながら伝搬していく構造です。[8]

 

f:id:workwahuman:20191222141651j:plain

hikarifaiba-

 このときファイバーの断面方向には光は定在波として存在します。

現在の光ファイバーはシングルモードファイバーと呼ばれるもので定在波が一個しかありません。

空間モード分割多重通信は「ファイバーのコアの数を増やしてさらにコア部をでかくすれば定在波の数が2倍3倍になるから、それぞれに変調加えれば伝送容量も2倍3倍じゃん!!」という発想のものです。

 コアの数を増やしたものをマルチコアファイバー、コアを太くしたものをマルチモードファイバー、両方やったものをマルチコアマルチモードファイバーと呼びます。まんまですね。

 空間モード分割多重通信技術は日本のKDDIやNTTで盛んに研究されていて2017年にKDDIの相馬さんの手によって、現在の通信容量の世界記録である10.16 Pbit/sが達成されました。[9]

この世界記録はこれまでの通信技術てんこもりみたいな感じで達成されています。

使用されたファイバー「6-モード19コア(=114空間モード)のマルチコアマルチモードファイバー」で各チャネルは

  • 739波長多重
  • 12 Gbit/sの変調速度
  • 偏波多重64直交振幅変調(DP-64QAM), 部分的に16QAM
  • SD-前方誤り訂正符号(冗長度12.75%、20%、25.5%)

の変調によって世界記録が達成されました。

 

もちろんこの記録は実験室レベルでの実証に成功したのみで、そのまま我々の利用するコアネットワークが400Gbit/sから10万倍程度の10.16 Pbit/sになるわけではありません。

しかしながら空間モード多重によって我々の通信容量が飛躍的に伸びうることは事実として存在すると思います。

 

結局、全人類は全ヒカキン動画みれそうなの?

 先ほど伝送容量世界記録を初回しました。10.16 Pbit/sで6ZBの情報を扱う場合

(1byte = 8bitとして)

(全人類全ヒカキン動画通信量)÷(通信容量世界記録)

= (6 ZB×8)÷(10 Pbit.s)

= 4800000 秒

= 13時間

なのでコアネットワークで情報のやり取りをするだけで13時間かかることになります。

 

うーーーん正直この記事を書きながら計算してたので僕も書きながらこの所要時間をしったのですが、思ったより時間かかるなといった印象です。

ただこの時間は一個の送信機で全ヒカキン動画を変調するのにかかる時間なので、実際にはもっと少ない時間で変調は終わると思います。

 しかし、各端末には結局コアネットの速度ではなく無線の側で届けられることや各端末や基地局での遅延等があることを考えるとなんとも言い難いですね。

 

終わりに

 今回「全人類はYouTuberヒカキンの全動画を楽しめるのか? ~最新光通信技術の話を添えて~」とかいうタイトルにしましたがヒカキン動画の検討についても光通信技術の紹介についてもすごいふんわりと中途半端になってしまいました。

結論がちゃんとでないくそみたいなまとめ記事っぽくなっちゃいました。まじ反省。

 

おとなしくマリカーの記事書いとけばよかったです。

 

思いついたときは「めっちゃキャッチーやん」とか思ってましたが普通に検討の時間が足りませんでした。反省です。

ヒカキン動画を一度も見たことない点も反省ポイントですね。

 

ただ途中で述べたように光通信技術は日進月歩の進歩をしており、我々が「ネット最高!Big dataをクラウドでやり取りするぜ!!合間にはYouTube! Netflix! Amzon prime video! Abema TV! etc見まくるぜー!!」とかやってもなんとかなっているのは光通信技術の高速な進歩のおかげなのは間違いないです。光通信技術者にまじ感謝。

 

eeicの皆さんにつきましては物理層でうおおおおおって光通信技術を支えている人達がいることをたまに思い出して、「あー今月通信量制限来ちゃったよ。だけど〇TT(〇DDI)は頑張ってくれてるもんな。仕方ないね」みたいな気持ちになってください(?)

 

明日は我が同期による「オタクくんさあ、反出生主義とか言ってないで彼女作ってセックスしな?笑」(リンクは明日以降)です。きっと僕の記事の100倍面白いことでしょう

 

それでは皆さんよいお年を。来年こそはさいきょーになろうな。

 

 (追記)

YouTubeの表記ミスを訂正しました。(12/22)

 

参考

[1]https://ytranking.net/?mode=view&p=1#rank5

[2]https://note.com/shizuka_m/n/nee245bc4cfba

[3]https://mobile.line.me/guide/article/29986020.html

[4]https://www.unic.or.jp/news_press/features_backgrounders/33798/

[5]https://www.cisco.com/c/ja_jp/solutions/collateral/service-provider/visual-networking-index-vni/white-paper-c11-741490.html#_Toc536227862

[6]https://www.kddi.com/yogo/%E9%80%9A%E4%BF%A1%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%93%E3%82%B9/%E3%82%B3%E3%82%A2%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%AF.html

[7]http://datacenters.seesaa.net/article/464198387.html

[8]https://klp.co.jp/business/opticalfiber.html

[9] D. Soma et al., ECOC2017 Th.PDP.A.l, 2017.

タフでグローバルな飲み会の開き方(2018 12月ver)

 

 

はじめに

eeic 2016のtanomu~です。よろしくね。まずは自己紹介

自己紹介

  • eeic2016/eeis2018 たのむ~
  • 3号館にある某光デバイス系研究室修士1年
  • ローマ
  • さいきょーになりてえ

この記事はeeicアドベントカレンダーその2 19日目の記事です。

今日は飲み会の話をしていこうかなと思っています。

アドベントカレンダーにおいて、飲み会の記事というものは2016年の23日目の記事

https://drive.google.com/file/d/0BxYbcwLKwfmtdENxVUt3dks5dFU/view

などがすでに存在しています。こっちも読んでください。

さて皆さん飲み会してますか?

僕はラボの先生が飲み会好きなのと、隣のラボに酒好きな先輩がいらっしゃることもあり人並み程度には飲み会をしていると思います。

 

さて、研究室で生活していると「〇〇君、今度留学生が新しく入ってくるから飲み会を適当にセッティングしてくれないか?」と言われることがあったりなかったりします。

一般に飲み会を開くということは多大なストレスと多くの困難を伴う作業であり、幹事の心労は常人にははかり知ることができません。

しかも、留学生を含めた飲み会となると、様々な事情から「池袋の甘太郎で焼肉食べ飲み放題でええやろ」的な方策が使えないこともあり、幹事にはタフかつグローバルかつ”さいきょー”であることが求められます。

この記事を通して多くのB4以上の方が留学生・日本人・教授たち全てに「最高だったぜ☆」と言われる飲み会が開催できるようになることを目指して頑張って書いていこうと思います。

0.タフでグローバルな精神

タフでグローバルな飲み会にはタフでグローバルな精神性が欠かせません。

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なので、まずはこの記事を読んで精神統一をしといてください。

 

1.タフでグローバルな連絡

出席者、特にguestである留学生には事前連絡が欠かせません。当然、予定の確認やアレルギーの有無を聞くのはもちろんですが、一番大事な質問は

  • 宗教は?

だと思っています。

Q.宗教は?

ご存じの方も多いように、宗教ごとさらには宗派ごとに食べられるものと食べられないものが違っています。(あくまでおおまかに)どんな食べ物がセーフなのかそうでないのかがわかります。おおまかにですよ?

例えばイスラームの場合、「ハラールな食べ物」しか食べれません。ハラールな食べ物とは野菜や乳製品、魚なとが該当します。

難しいのが肉で、豚肉は絶対だめ。牛肉と鶏肉はハラールな調理をされたもののみOK。

ハラールな調理には特殊な資格が必要だそうです。前にイスラームの人に『ハラールな鶏肉って普通の鶏肉と何が違うのか?」みたいなことを聞いた時には『鶏の殺し方が違う』みたいなことを言われましたが、それ以外にもハラールとなるための条件があるっぽいです。おそらく宗派や地域によって多少のブレがある感じがします。)

また、イスラームはアルコールが基本ダメですね。(あれ?飲み会できない…)

 

まあ、留学生を交えた飲み会をする上で宗教に関する情報がとても重要だということがわかったと思います。

もし宗教上の理由の場合、「食卓に調理された豚や牛がいることはあなたの宗派的にOKなのか?」を次にきくべきです。

 

また飲み物についても「アルコールがだめ!な宗教の人」には、「隣に酔った人間がいるのはセーフかどうか」も大事な問題となります。アルコールの有無に影響します。

 

2.タフでグローバルな食べ物/飲み物を手に入れろ

連絡で、食べ物や飲み物に関する条件を聞き出したら次に
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